内向型・外向型(内向性・外向性)は、関心やエネルギーが自分の内面に向かいやすいか、外の世界に向かいやすいかの個人差をあらわす性格特性の次元です。1921年にユングが「外向」「内向」という用語を提唱したのが起源とされますが、現代のパーソナリティ心理学では、ビッグファイブ(特性5因子モデル)の「外向性」という連続的な次元として研究されています。

研究でわかっていること

外向性は、ほぼすべての主要な性格理論に共通して現れる基本次元のひとつと位置づけられています。研究レビューでは、社交性・自己主張・活動性に加えて「ポジティブ感情を経験しやすい傾向」を含む幅広い特性として整理されています(Wilt & Revelle, 2016)。ユングの原典では意識の向かう方向による質的な「タイプ」でしたが、現在の研究では高低が連続的に分布する「次元」として測定され、多くの人は中間域に位置します。

外向性の高さと快感情(ポジティブな気分)の報告しやすさに中程度の相関があることは、メタ分析でも確認されています(Lucas & Fujita, 2000)。ただし、測定方法によって相関の強さが変わることも同時に示されています。また背景メカニズムとして、報酬に対する脳の感受性(ドーパミン系の働き)の個人差が外向性と関係するという理論と研究の蓄積があります(Smillie, 2013)。

わかっていないこと・よくある誤解

まず、「人は内向型か外向型かの2タイプに分かれる」という見方は、連続次元として扱う現在の研究とは一致しません。ネット上の性格タイプ診断の多くは、この点で研究上の扱いと異なります。また、内向性は人見知りや社交不安と混同されがちですが、研究上は別の概念で、内向性が高い人が必ずしも対人場面に不安を感じるわけではありません。

「内向型は治すべき欠点」という見方にも研究上の根拠はありません。内向性〜外向性は誰もがどこかに位置する特性次元であり、どちらか一方が優れていると示した知見はありません。一方で、報酬感受性仮説の検証はまだ途上にあり、外向性と幸福感の相関がどのような因果関係によるものかについても、結論は出ていません。