反芻思考とは何か——研究が分けた「二つのぐるぐる」
反芻思考は「苦痛の症状とその原因・結果に、繰り返し受動的に注意を向ける反応の仕方」として定義された心理学の概念です。約1,300人の地域住民を1年追った研究、約1,130人のデータを因子分析した研究、そして反芻に的を絞った認知行動療法の試験まで、原典に当たって「ぐるぐる」の中身を整理しました。
内向性・感受性など、性格や気質の個人差を研究から読み解く記事
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反芻思考は「苦痛の症状とその原因・結果に、繰り返し受動的に注意を向ける反応の仕方」として定義された心理学の概念です。約1,300人の地域住民を1年追った研究、約1,130人のデータを因子分析した研究、そして反芻に的を絞った認知行動療法の試験まで、原典に当たって「ぐるぐる」の中身を整理しました。
共感性羞恥——他人の失敗を見ているだけで自分が恥ずかしくなる感覚を、619人が52場面を評価した研究、失敗の主を「友人」と想定した場合と「他人」と想定した場合を比べた脳イメージング研究、共感の多面性を扱った神経画像メタ分析から整理しました。相手が気づいていなくても起きる理由、共感の強さとの個人差、そして研究をどこまで自分に当てはめられるかの線引きまで。
スポーツ観戦に興味がない——それは何かが欠けている状態なのか。興味と成績を60研究で統合したメタ分析、ファン心理を扱うアイデンティティ融合のレビュー、報酬を三つの成分に分解する神経科学の総説、そして外向性と覚醒をめぐるミニレビューをたどると、「熱狂する仕組み」がかなり特殊にできていることが見えてきます。観ない側から、その構造を眺めてみました。
涙もろい自分をどう理解すればいいのか。35カ国5,096人の調査、日記研究、悲しい映画を使った実験室研究——涙の心理学が実際に示していることは「泣けばスッキリする」よりずっと条件つきでした。出典をたどって整理します。
感情の起伏が激しいという一言は、感情の強さ・時間を通じたばらつき・引きずりという別々のものを混ぜています。79論文・11,381人のメタ分析をたどると、適応的とされたのは、大きく振れて引きずったままになる状態ではなく、小さく揺れてそのつど元に戻る動きのほうでした。出典付きで整理します。
承認欲求は消すべきものなのか。所属欲求を「基本的欲求」と位置づけた古典、賞賛を得たい欲求と拒否を避けたい欲求を別の次元として分けた日本の尺度研究、自尊心の賭け先という視点、そして100万件超の投稿から見えた「いいね」の作用。出典をたどって整理します。
疲れやすい体質は生まれつきなのか。双生児研究が出した遺伝率40%という数字、4万人超を追ったメタ分析が示した性格との関連、そして遺伝子レベルで疲労と絡まっていた意外な形質。同時に「体質」で片づける前に外しておきたい医学的な原因についても、出典をたどって整理します。
HSPは病気なのか、という問いには研究の側からわりとはっきりした答えがあります。診断のための概念として作られていない、という答えです。ただし「病気ではない」は「気にしなくていい」とは違います。感受性の研究が何を扱い、何を扱っていないのか、そしてどこからは別の枠組みで見てもらうべきなのかを出典付きで整理します。
気にしすぎる性格をやめたい、という願いは「考える量を減らす」方向に向かいがちです。ただ研究の側では、同じ考えすぎでも未来向きの心配と過去向きの反芻が分けられ、さらに反芻の中も抑うつと強く結びつく成分とそうでない成分に割れています。出典をたどって、どこが動く部分なのかを整理します。
神経質だと言われる。この一語は、負の感情の起きやすさ・きちんとしたい欲求・ミスの引きずり・感覚のきつさを一緒くたにしています。神経症傾向のGWASメタ分析や遺伝率のメタ分析、完璧主義への介入研究を出典付きでたどり、どこが動かせる部分なのかを整理します。
飽き性なのは根性がないから、とよく言われます。でもグリット研究のメタ分析では、成果を予測するのは「興味の一貫性」より「努力の粘り強さ」でした。退屈と覚醒のメタ分析や刺激追求の研究も合わせて、続かなさという個人差を出典付きで整理します。
せっかちな性格は、本当に直すべき欠点なのでしょうか。「待てなさ」「時間切迫感」「いらだち」という三つの別々の個人差に分けて、タイプA行動パターンのメタ分析や遅延割引の研究から、急いでしまう仕組みを出典付きで整理します。